光システム

非球面レンズとは?

球形ではない曲面からできているレンズです。
放物面や多項式で表される面をもつもので楕円面・双曲面・4次曲面などです。
ここでは一般的なレンズの解説と、非球面レンズの必要性、優位性等について説明します。

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非球面レンズ画像

一般的なレンズの形状とはたらき

凸レンズ

  • 両凸レンズ

    両凸レンズ
    凸面を2つ組み合わせたレンズ。

  • 平凸レンズ

    平凸レンズ
    片面が平面であるようなレンズ。

  • 凸メニスカスレンズ

    凸メニスカスレンズ
    意味は三日月型のレンズであり、
    片面が凸で片面が凹であるレンズ。
    レンズ中央が周辺部より厚くなっている。

凸レンズ

凹レンズ

  • 両凹レンズ

    両凹レンズ
    凹面を2つ組み合わせたレンズ。

  • 平凹レンズ

    平凹レンズ
    片面が平面であるようなレンズ。

  • 凹メニスカスレンズ

    凹メニスカスレンズ
    意味は三日月型のレンズであり、
    片面が凸で片面が凹であるレンズ。
    レンズ周辺部が中央より厚くなっている。

凹レンズ

非球面レンズの必要性

レンズとは?

レンズは小さなものや遠くのものをもっと大きく拡大して見たいときや、
カメラのように被写体をフィルムに写したい時などに使用します。
一般的なレンズの形状は球面(凹凸)や平面で、ガラスを削る研磨をすることで作られます。

一般のレンズ:第1の問題点

小さなものやより遠くのものを観察する時は、倍率の高いレンズを使用しますが、倍率が上がるに従ってレンズに取り込まれる光の量は少なくなるため、より拡大しようとすればするほど観察が難しくなります。
また、高速で移動するスポーツカーを写真に撮影する場合など、シャッタースピードをより速くする必要がある場合も同様です。取り込まれる光の量は少なくなり、得られる像は暗くなります。

一般のレンズ:第2の問題点

取り込む光の量を多くするには、大きな口径のレンズを使用すれば良いのですが、口径が大きくなるに従って、収差が大きくなります。

収差とは?

収差とはレンズの中央から入ってくる光と、レンズの端から入ってくる光の焦点がずれてしまうことです。
写真で例えると、中央はピントが合っているのに隅の方のピントが合っていない等の問題がでてきてしまいます。
このような問題点のために、収差の大きいレンズをそのまま使用することはできません。

収差を小さくするためには?

何枚もの凹レンズや凸レンズを組み合わせることによって、完全ではありませんが収差を小さくすることができます。

一般のレンズ:第3の問題点

レンズに取り込まれる光の量を多くするためには大きな口径のレンズが必要です。しかし大きな口径のレンズは収差が大きくなってしまうので、何枚ものレンズを組み合わせて収差を小さくします。
問題点はなくなったように見えますが、大きなレンズを何枚も組み合わせなくてならないので、カメラなどの製品にしたときに、小型化・軽量化は難しくなりますし、コストもかかってしまいます。
そのため、一番の問題点だった収差のないレンズの開発が進められてきました。
そこで登場したのが「非球面レンズ」です。

今までの問題点だった収差のない非球面レンズとは?

  • 球面レンズ
  • 非球面レンズ

非球面レンズとは球面(凹凸)や平面ではない曲面からできているレンズのことです。
放物面や双曲面、楕円面以外に、高次多項式(4次曲面など)があります。またドーナッツやラグビーボールのような非軸対称なものも提案されています。
最大の特長は今までのレンズの問題点だった収差がないことです。
取り込む光の量を多くするために、いくら口径の大きなレンズにしても収差がありません。
このため球面レンズを2、3枚組み合わせなくてはならないところが、非球面レンズであれば1枚ですみます。
その結果、製品の小型化、軽量化、またコストダウンが可能となります。

非球面レンズの問題点と解決

しかし、この非球面レンズにも問題点があります。
それは非球面の形状が複雑なため、今までのレンズのように研磨で作ることが難しいことです。
そのために実用化が遅れていました。

そこで研磨ではなく、非球面の形の金型に、完成形に近いガラス材料(プリフォーム)を入れ、加熱して軟化させた後、プレスをするという工法があります。これを「ガラスモールド」といいます。
ガラスモールドでつくれば、研磨では難しかった非球面レンズを容易に作ることができます。

ガラスモールドの問題点と解決

しかしガラスモールドにもまた問題点があります。
それは、非常に高い温度でなければガラスを軟化することができないことです。
軟化させるためには高温にしなくてはならないので時間がかかり、軟化したガラスの温度は高温なので、金型はすぐに劣化して使えなくなってしまいます。またプレスしたガラスを冷却するにも時間がかかります。
そのため低い温度で軟化する、ガラスモールドに適したガラス(ガラスモールド材料)の開発が進められています。

しかしガラスモールド材料はそれ以外にも、透明であること、温度が変化しても屈折率などの特性が変化しないこと、傷つきにくいこと、製品化のために多くの種類が準備されていること、成形する途中でガラスの透明性が失われるような結晶や揮発物などの現象が発生しないこと、金型と反応しやすい物質を含まないこと、鉛や砒素といった公害物質を含まないことなどの多くの条件を満たす必要があります。
この点でプラスチックとガラスを比較しますとガラスが優れています。ただプラスチックは、安価で大量生産できる特徴があります。

そのような難しい条件の中、325℃の低温で熔けるガラスモールド材料、K-PG325スーパーヴィドロンが開発されました。

ガラス材料→プリフォーム→ガラスモールド→非球面レンズ

しかし、低温で成形できるガラスモールド材料を使用しても、やはりガラスモールド製品はまだ高価です。
この原因の一つにガラスモールドを行う前の材料が高価であることがあげられます。
このガラスモールドを行う前の材料を一般に「プリフォーム」と呼んでいます。
プリフォームも「研磨プリフォーム」という球面レンズと同じように研磨で作られるものしかありませんでしたが、熔解から直接プリフォームを作る工法が開発され、実用されています。この製品を「ゴブプリフォーム」と呼んでいます。

ガラスモールド装置

ガラスモールドを行う装置には、コストダウンのために、高速で加熱・冷却ができることが必要です。
これ以外に高精度なレンズを作るための条件として、温度や成形荷重の調節が高精度でできること、温度による歪みなどが起こらないことが求められます。

またガラスモールドは、成形雰囲気中(成形する時の周囲の空気)に酸素が入ってしまうと、金型の劣化やガラスと金型の融着が発生するため、成形雰囲気が気密に保持され、窒素やアルゴンなどの非酸化雰囲気で保持できることが必要です。
さらにガラスモールド製品として、前述した非球面ガラス以外に、最近は微細構造を持つ光学製品(回折格子やマイクロレンズアレイなど)にも求められています。
このような光学製品を精密に成形するには、成形雰囲気の気圧を必要に応じ調整する機能も必要です。

真空オスベシタは、研究開発用途や、小ロット品の生産に最適なガラスモールド成形装置です。

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